Deviationファームウェアと電波法認証問題_2

直前エントリー「Deviationファームウェアと電波法認証問題_1」にいただいたコメントを以下に時系列順に再掲いたします。この方が読みやすいと思いますので。(^^ゞ

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1. はまちゃんのコメント

これは私なりに思考を続けていて、

総務省はファームウェアアップデートについては違法の可能性を残しながら灰色のまま『容認』する。
技適による規制はファームウェアアップデートを容認したした時点で崩壊しているが、諸事情により誰もさわれない。

中間地点ではありますが、ひとつの結論に達しました。
こうやってひとつのエントリーとしてあげていただいたので、他人のブログのコメント欄とはいえもう少し書くことが許されるかと思いましたので、その根拠をつらつら書き並べているうちに、これって総務省に聞けばいいんじゃないの?

総務省に電話しましたが土曜で不在です。来週、電凸します。

2012-10-13 12:24  はまちゃん



2. としさんのコメント

まず、回答から

はまちゃんさんのご質問に、まずお答えしたいと思います。
tiger22さんの疑問にも、いくつか対応しています。
(ファームウェア書き換えは、白か黒か)

(1)
DD-WRTについては、はまちゃんさんが先に取り上げて下さいました。
調べれば、どのようなものなのかをわかるでしょうが、具体的に問題となる事例、事項として
例示するために挙げたところです。
はまちゃんさんは、問題になっている、とまでしか書かれていません。
私は具体的に出力調整ができること、同じ2.4GHz帯機器に与える影響について書きました。

(2)
医療機器電磁波障害ですが、医療機器は医療機関のみにあるものではありません。
電子体温計や、自動血圧計だって、医療機器です。隣家では、人工呼吸器を使って
いるかも知れません。
九大病院では、3km離れた福岡空港レーダの電波が飛び込み、医療機器EMC基準で
ある3V/mを超える電界強度が測定されています。
どこから、何が出ているのか、電波が目に見えないだけに、当初は相当困っていました。
誰かが、どこかで困っているかも知れません。
そうした予想も、責任も感じない人には、海外プロポなファーム書き換えの話題は、全然
響かないんでしょうね(はまちゃんさんを指している訳ではありません)。

(3)
こと、プロポの電波の話になると、「他人に迷惑を掛けているわけじゃない」、「どんな
影響が出ているか示してみろ」という議論が起きます。
このサイトでもそうです(どのスレッドの、どのコメントかは、一々示しませんが)。
そうした感情と、実際に起きた問題との例示として、モデムを挙げました。
電波の話をしてもよいのですが、目に見えないだけに、もう少しわかりやすいものをと
考えたからです。
逆に混乱を引き起こしてしまったかも知れません。

(4)
技適については、かねてから申し上げておりますし、今回も書きましたように、
ARIB STD-33またはSTD-66に準拠していることを求められます。
また、技適の効力は、技適証明を通過した時とスペックが変わらなければ、維持されます。
(総務省確認済)
逆に言えば、技適通過時と変更があれば、技適から外れます。
例えば、SSの拡散帯域幅が変わったり、周波数が変わったり、出力が増えたり、FHSSの
送信機がDSSSの電波を出すようになったらアウトです。
メーカの公式ファームアップは、当然技適の範囲内で行われますし、それを超える場合
(例:5GHz帯無線LANの周波数変更)、追加で、技適を取得しています。

(5)
たかが10,100mW云々について。
法整備を、という書き方を含め、「多くのご意見」です。
周波数などの条件はありますが、100mWで地球の裏側まで届くときは届きます。
甘く考えられる問題ではありません。
また、摘発なんか、来るわけがない、という書き込みは、これまでも拝見して参り
ました(どのコメントかは、いちいち示しませんが)。

違法性の話と摘発の話は、結局電波法という法律の運用の話ですので、切り離せ
ないと考えます。

(6)
無理筋、という表現について。
<0>技適とFCC,CEの相互運用が行われるとして、どのような認証、運用方法となるのか、
 現時点では分からない。輸入代理店が、何かを手続きするなど。
<1>deviation firmwareを入れると、技適からは外れるだろう。
<2>しかし、FCCやCEはを維持できるかどうかは不明。
<3>技適とFCC,CEとの相互運用が行われる日が来る可能性はあると思う。
<4>仮に<3>相互運用が行われるようになったとしても、<0><2>がある。相互運用→
devention即OKとはならないのではないか、無理筋ではないか。
これが、私見です。

(7)
話が前後しますが、技適の表示義務はありません。
<1>メーカは免許ではなく、技適という選択を取り得る。
<2>技適を選択した場合、登録証明機関で審査を行う。
<3>審査にパスすると、証明シールを貼付することができる。
<4>メーカは、製品が技適に合致し続ける義務がある。
<5>メーカや使用者が、技適から外れるようなことをしたら、その表示を外さなければ
 ならない。
つまり、技適にパスしたかどうかを証明するのはメーカの責任ですし、それを容易に
するのが、件のシールなのです。
シールを剥がしたら違法になる訳ではなりません。
今回の、deviation firmwareは、技適通過時と出る電波の内容が異なっていれば、
シールは改造した人(店なり個人なりが)剥がす必要があります。
剥がした上で、技適を個人で申請するかどうかは、個人の自由です。
deviation firmwareをいじって、出力調整や、日本のバンドプランと合致するように
して申請すれば、パスできるかも知れません。
もう一つの方法は、アマチュア無線で免許を受けるという方法がありそうです。

2012-10-15 12:49  とし



3. はまちゃんのコメント

総務省へファームウェアアップデートの件について問い合わせた結果です。

「無線LANの技適の件です」「はい、どういったことでしょうか」
「ファームウェアアップデートの件で」と言ったとたん「ここでは正確な回答ができません・・・・」と3箇所ほどたらい回しにされましたが、最終的に非常に誠実に答えてくださるかたに話をうかがうことができました。

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メーカー製のファームウェアアップデートはこちらに申請が無いかぎり、技適認証にかかわる部分の変更をやっていないと判断している。

それ以外のファームウェアは把握していないのでわからない(DD-WRTとか聞き返しても同じ回答)。

ファームウェアアップデートにおいて、日本の法律を越える出力が可能になることが、技適を無効にさせる条件にはならない。個別の総合的な判断である。

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結局グレーで、それがどないしてん、って言われそうですが、違法かもしれないけど確定したわけではないってことだけで許してね。tiger22さん

くそ忙しいであろう電波行政に携わっておられるかたに(たぶん地位はかなり上の方と想像します)、私などが電凸したのは心苦しいのですが、これを見られたかたが少しでも参考になれば。

2012-10-16 16:29  はまちゃん


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はまちゃん、電凸ご苦労さまでした。その行動力には頭が下がります。小心者の私には決して出来ないワザでございます。(^^ゞ
お陰さまで、Deviationファームウェア問題は、新しい法令ができるまでは「グレー」ということが確認されました。本当にありがとうございました。m(_ _)m

>結局グレーで、それがどないしてん、って言われそうですが、違法かもしれないけど確定したわけではないってことだけで許してね。tiger22さん

はまちゃん、ご心配なく。違法ではありません。(^^)
法律のおもしろいところは、ファームウェアについて具体的な法規定がないかぎりは、はっきりと違法とは断言できないところです。実に堅苦しいですが法律はそれくらい堅苦しくてちょうど良いのです。法律ではっきりとダメと書いてないことは、通常はセーフです。まあ、私も一応は阿呆学部の出身で、マジメに法律の勉強したこともありましたので・・・。(^^ゞ

ということで、結果的に私の想定どおりでよかったようですが、新しい法令が発令された時には何らかの手が打たれるものと思われます。それまでは違法ではないという解釈で良いでしょう。
もちろん、本件に関して具体的取り締まりが行われ、裁判で違法との判決が出た場合には、その判決以後は違法と推定されることになります。しかし、判例がない以上は「違法ではない」という理解で良いと思います。

ただし電波法の趣旨に従って解釈すれば、としさんの理解が正しいと思います。
でも、明文化された法令がない以上は当局も違法とは断言できないし取り締まることはむずかしいでしょう。玉虫色というか相当濃厚なグレーではありますが、われわれユーザーにとってはこの状況は決して悪くはありません。(笑)

ホント、法律っていうのは独特で、世間の常識の世界とは違う部分もありますのでヤヤコシイですね。(^^ゞ




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今更って感じですが、確定しない事を違法とすると責任問題になるので公務員は嫌がります。

意見の相違は想定内ですが

見事に意見が食い違っているようで、ある意味、これがラジコンを巡る電波に
関する理解の一般的限界かなとも思います。

かねがねではありますが、私は常にラジコン側ではなく、ラジコン以外の立場で
書いています。
もちろん、私自身はラジコン愛好家の一人ですが、電波というのは周波数と変調方式の
違いだけで、色がついている訳ではありません。周辺とも相当の利害関係を孕みながら、
それでもできるだけ良い帰着点を見つけるために、あえて外部の状況を踏まえながら
書き続けています。

その1つが、前エントリ「Deviationファームウェアと電波法認証問題_1」
http://tiger22618.blog104.fc2.com/blog-entry-1271.html
でした。送信機改造(ファームウェア入れ替え)について、「メーカあるいは輸入代理店に
聞く」、これは総務省からの返答です。

これを、はまちゃんさんには、あっさりとスルーされてしまいました。
聞きたくない話は、聞かない、ということでしょうか。
その前段には、わかりやすくしてくれ、とも言われています。
技適に合致した送信機を用い、改造しない、これほどわかりやすい制度は、逆に
いえば他国には無いわけです。さらに言えば、技適を守っている限り、ユーザには
一切の責任がありません(責任はメーカと登録証明機関が負う)。

いくつか具体例を書きます。これは総務省に確認した事項を、さらにわかりやすく
かみ砕いて書いております。もし疑問がありましたら、私ではなく、各地の総合通信局で、
「技適証明がある2.4GHzラジコン送信機の件で」とお問い合わせ下さい。
(少なくとも、私の質問は東京に回されることなく、地方総通で回答できています。
彼らの事務処理能力は相当のもので、法律の解釈について質問をすれば、間髪を
入れず返してくれます)

Q1.プロポの蓋を開け、Mode1からMode2への変更を行う。
A1.技適通過時のスペックと電波の質に変更が無ければ可。
送信基板がモジュール化されていて、スティック周囲と別になっているのであれば、
特に問題ない。送信部分が一体化されている場合は、配線の引き回しや周辺部品
(抵抗やコンデンサなど)に変更があると、電波の質に変更が加わることがあるため、
そうしたことがないことを確認する必要がある。
但し、筐体を含めて技適を通したもの(内蔵/外付けモジュールではないもの)について
は、再組み立て時に、筐体のかみ合わせや、配線の相違によって、不要電波輻射など
に違いが生じることがあるので、この点を確認されたい。

Q2.プロポのアンテナが邪魔なので短くした。あるいは電波の到達範囲を広くする
 ため、長くした。
A2.いずれも不可。
技適は、送信機とアンテナそろって証明を受けているものなので、技適通過時と
異なるアンテナは使用不可。例え短くしてもいけない。

Q3.ファームウェアを入れ替えて、画面の照度調整やタイマ機能などを追加した。
A3.技適通過時のスペックと電波の質に変更が無ければ可。
電波の質のみが、技適の電波に関する要件(筐体に関する要件などは別)なので、
機能に変更を加えることは可能。但し、周波数や出力、拡散帯域幅などは変わらない
こと。

Q4.ファームウェアを入れ替えて、電波の質に係る変更が可能とした。
A4-1.送信出力で、より低出力となるようにすることは可。
技適や免許では、最大出力のみを規定しているため。
A4-2.変更の操作が、通常操作で行えるかどうかによる。
例えば、複雑なコマンド入力を行い、メンテナンスモードのような画面で行うものとし、
一般利用者の通常利用では、電波の質に係る変更の操作ができない場合は可。
操作が簡易、容易に類推可能、またはマニュアルが公開されている場合は不可。

Q5.技適の送信機があるが、これをコントローラとしての機能のみ用い、
別のモジュールを内蔵させたい。
A5.送信機の技適証明シールを剥がしてモジュールを組み込むこと。
もともとのシールは、改造前の技適を証明しているものであるため。新たなモジュール
には、技適証明シールが貼ってあるが、そのままでよい(表から見える必要はない)。

重要事項:
(1)ファームウェアの動作は、メーカが技術的担保をしている。どのような電波が出るのか、
のみならず、何らかの操作によって、想定外の電波が出ることがないようにしている。また、
万が一、技適以外の電波が出たとしても、責任がメーカが負う。
(2)ファームウェア自体は「ソフトウェアの著作物」であり、ファームウェアの使用や改造に
ついては民法による。配布については著作権法が関わり、文化庁が所管疔となる。
ソフトウェアについては、リバースエンジニアリングを禁じている場合も多い。
元となったファームウェアを、どの程度用いたかや、画面の意匠など、解釈は相当に複雑と
なる。
---------------
総務省としては、送信部とファームウェアは一体のものであり、非公式のファームウェアが
存在することそのものを認めていません。
「ある」ことを前提にすると、ファームウェアの技術的担保は誰がするのかや、ソフトウェア
著作権の問題などもあるため、「知らない」としか言えません。仮に個人的に知っていても。

だから、Q3,Q4.については、聞いても正確な答えは得られないでしょう。
答えが得られないからといって、グレーとか白という訳ではないです。

ただ、かみ合わない議論について、私は全く無駄だとは思いません。
お互いに、ややこしい世界があるものだとか、理解に相違があることを認識するすることは、
大事なことだと思います。
色々な立場の方々が、様々な法解釈を行うことは私も想定しています。

ただ、EMCによる障害で、産業や生命に危害が加わることは断じて許されませんし、
免許局への影響もあってはなりません。
それすらも無視しようとする意見は、私は全く許容しません。



No title

としさん
踏み込んだ解説をありがとうございます。

>EMCによる障害で、産業や生命に危害が加わることは断じて許されません

これは全く同意しております。
ありがとうございました。

ファームウェア問題

ファームウェアに関してですが、ファーム自体の設計手法もしくは電波出力部分のコード変更があるかないか?に関わってくるかもしれません。

最大出力をアッテネーターで電波を減衰させている状態で技適を通過している場合は電波形式及び周波数さえ違ってなければOK

ファームウェアで電波出力、電波形式、周波数に変更がない場合はOK

と私は認識しています。

Android携帯での例ですが、アンドロイドのファームウェアは無線LANモジュールのファームウェアを内部にバイナリで持っていものがあります。無線LANファームウェアさえ変更しなければ後は何を変更しても影響はないはずと思いたいです。
図示しますと、

Androidファーム読み込み→無線LANドライバ起動→無線LANファーム書込み→無線LANモジュール起動

Android起動後

Androidファーム⇔無線LANドライバ⇔無線LANファーム⇔無線LANモジュール

という具合で、無線LANドライバと無線LANファームで出力等々を担保しています。

よって、Android側からは出力制御が出来ない状態にしています。
(全てがそうという訳ではありませんが…、内部で分けているとメーカーがファームアップした場合でも技適に関するコードは変更無いということで、再認証に出す必要がありません)
(DD-WRTのコードを詳細に検証していないので無線LAN APに関してはよく分かりません)

アマチュア無線の場合受信改造は出来るようになっていますが、送信改造は絶対に出来ないように設計されています。また、航空無線や救急無線と近い周波数が発射できるハードウェアの場合はユーザーサイドでのファームウェア書き換えは絶対にできないようにしています。逆に考えますと、ユーザーサードでファームアップできる状態で技適を通過していることは暗黙の了解といいますか…そこまでひどい事故は起こらないと考えているのかもしれませんね。

グレーゾーンであることには変わりは無いのですが…
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