ドローン操縦(FPV)の特殊性とは。

cvlexさんから、ラジコン機の通常操縦とFPV操縦の違いについてコメントをいただきました。私はFPVの経験がないので、非常に参考になりました。(^_^)

ところで私は今、「無人暗殺機 ドローンの誕生」という本を読んでいます。この本の中に、米国空軍のUAV(無人機)プレデターのFPV操縦について書かれている部分がありますので、一部を引用しようと思います。

その前に、無人機プレデターの基礎知識を知りたい方のために、ウィキペディアへリンクを張っておきます。

RQ-1 プレデター
http://ja.wikipedia.org/wiki/RQ-1_%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%87%E3%82%BF%E3%83%BC


さて、米軍の無人機開発の歴史は古く、たとえば 1960年~1975年のベトナム戦争でもすでに実戦投入されましたが、はかばかしい成果は得られませんでした。そのため、米軍内での無人機に対する評価は最悪でした。しかしCIAは、偵察用としての小型無人機の有用性に着目し、その後も細々と開発を続けていました。

そんな中、1992年~1995年に起きたボスニア紛争に米国が介入し、敵地上空からの偵察を行うために、無人機プレデターが初めて実戦に使用されました。

それまでの有人偵察機や人工衛星による偵察は、高高度から行われるため雲があると実施できませんし、偵察時間も限られていました。しかし、昼用カメラと夜用(赤外線)カメラを搭載したプレデターなら雲の下まで降りられるので、目標上空を旋回しながら24時間以上連続して見張りを続けることが可能でした。
機体は小さく低速で飛ぶので、レーダーでも肉眼でも発見されにくく、エンジン音が小さいので地上では飛行音も聞き取れません。敵に気づかれずに偵察を続けることができるので、これをきっかけにして、米軍内で俄然注目を集めることになりました。

プレデターの操縦と機器操作は2名のペアで行います。1人がパイロットで、もう1人がカメラ等のセンサーを担当(操作はいずれもジョイスティックとキーボードを使用)します。この2名は米国本土の基地にいて、地球上のあらゆる場所のプレデターを遠隔操作することが可能です。監視カメラからの映像は、軍の司令部やCIAでもリアルタイムで見ることができます。
しかも、こんな遠距離でも、FPVの操作遅延は往復通信でわずか1秒程度しかありません。ホントにスゴイ技術です。


では、お約束どおり「無人暗殺機 ドローンの誕生」の154ページから引用します。


「ハンガリーのタザールからコソボまでプレデターを飛ばすには、そこへ到達するだけで八時間かかった(クロアチア上空を南下し、アドリア海に出て、アルバニアを横断して、ようやくコソボへ到達する)。スワンソン(管理人注: プレデターのパイロット。空軍大尉で元ヘリコプターのパイロット)は、このミッションにはパイロットとしての実務経験とコンピュータゲームの腕の両方が役立つと思った。パイロットは、プレデターの位置をビデオスクリーンを見るだけで判断しなければならない。しかもその際、見えるのはプレデターの機首カメラと監視カメラの映像だけである。パイロットはプレデターの動きを体感することはできない。エンジンの音を聞くこともできないし、燃料が漏れていることを臭いで知ることもできない。プレデターの周囲の様子を見ることもできない。さらにプレデターへのコマンドの多くは、操縦桿やスロットルを動かしたり方向舵ペダルを踏んだりすることによってではなく、キーボードにコマンドを打ち込むことによって伝えられる。

スワンソンは、五感のうちの一つだけに頼った操縦の名手であるところを示した。それだけに留まらず、特殊作戦車で培われた概念化能力や計画能力、複雑なミッションを遂行する能力は、彼に一日の長を与えていた。彼はタザールのミッションで優れた働きを示した。1998年のクリスマスの頃に第十一偵察飛行隊がインディアンスプリングスに帰還した際、上官らはすぐにスワンソンを、パイロット養成教官及び飛行隊の兵器及び戦術将校に任命した。」


まさにラジコンのFPVと同じです。1人のラジコンファンとして、非常に興味深いと思います。

ドローンやFPVに興味のある方には、超オススメの1冊です。(*^O^*)





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関連して

tiger22さん おはようございます。

わが方の人命、装備を損なうことなく相手方をせん滅できる技術が開発されると、子供のゲームの世界が、現実の国同士の争いに発展しますます物騒な方向に進んでいきそうな気がします。

つれションみたいですが、関連する動画は沢山見られましたのでいくつか添付します。
https://www.youtube.com/watch?v=dWEohpF-bOI
https://www.youtube.com/watch?v=6buSvKMXf8w
https://www.youtube.com/watch?v=unv9C2t7f5c

つけたし
5月にドローン展があるそうですね。

http://nge.jp/2015/04/09/post-101306
http://nge.jp/2015/03/28/post-100082


Re: 関連して

藪 丈二さん、ホットな情報をありがとうございます。

日本でもようやくドローン展が開催されるのですね。(^_^)

東大の量産型フェノクス2も興味深いです。
https://www.kickstarter.com/projects/2040441468/phenox-2-a-programmable-drone-and-platform?ref=category

Phenox 2は、840ドル払えば入手できます。
しかし、ビデオを見ただけでは、高いのか安いのか、私には判断できません。(^^ゞ

No title

tiger22さんこんにちは

スレ違いですが、最近のエントリーに合うものが無かったので、ここにコメントさせていただきます。

メジャーなニュース源なので、すでにご存知のかたも多いと思いますが、

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150410-00000002-withnews-bus_all

流れとしては歓迎しますが、「ドローンが落下して人やモノが傷ついたり、機体が壊れたりした場合に保険金を支払います。また、機体の盗難や、行方不明時の捜索費用も保険対象に」
第三者への補償は当然でしょうが、自分のミス、不注意による自損事故の補償、ましてや盗難、捜索費用なんて、100人で10日捜索したなんて言えば青天井で計上できそう。悪人にとってこんな嬉しいことはありません。そこまで保障して大丈夫? 釣り保険で道具を補償できましたが、単身の状態での事故の事実確認など実際には困難です。ま、損保会社はわかってやっているんでしょうが。

しかし、見切り発車でも、発売してくれたことは一歩前進と捉えたいですね。
ま、契約の料金次第でもありますが。

Re: No title

はまちゃん、こんにちは。

ホットニュースをありがとうございます。
さっそく本文に転載させていただきます。(^_^)

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