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航空法施行規則案について、tiger22 の素朴な思い。

このブログは、主としてヘリコプター/マルチコプターを扱っていますが、今、われわれ「ラジコンヘリのホビースト」にとって、最大の関心事は航空法施行規則案に示された「無人航空機」の範囲です。

航空法施行規則案では、「重量 200g未満」のものは「無人航空機」から除外されるとしています。「無人航空機」から除外されると、今までどおりに比較的自由に飛ばすことが可能になります。ですから、これは非常に重要です。われわれホビーストとしては、この除外範囲をできるだけ広くしてもらわねばなりません。

「重量 200g未満」となると、ホビー用のラジコンヘリやクアッドのほとんどが規制対象となってしまいます。これはどう考えてもやりすぎです。過剰規制です。
政府が「重量 200g未満」とした根拠は、いったい何でしょうか? 少なくとも、国土交通省はその根拠を明確に示すべきだと思います。

というわけで、少し長くなりますが、私の基本的な思いを述べてみたいと思います。
結論から言うと、私は「重量 1Kg未満」のヘリコプター/マルチコプターを「無人航空機」から除外するべきであると考えます。

理由の 1つは 450クラスのヘリコプターはホビーヘリの入門機なので、今までどおり自由に飛ばせる必要があること。2つめは、DJI Phantom はあまたの事故・事件を起こしているので、国民感情を考えると「無人航空機」として規制せざるを得ないということです。最近の Phantom は、飛行重量が 1Kg を超えます。それで除外範囲の線引きを 1Kg としました。これなら、900g前後の 450~500 クラスのヘリコプターは規制されずに済みます。


1.ラジコンヘリの小型化とドローンの時代

5年ほど前まで、ラジコンヘリを始めようとするビギナー(初心者)のほとんどは、ヘリコプターの先輩から 450~500 サイズの電動ヘリコプターを買うように推奨されたものです。当時の入門機はほとんどこのクラスでした。世界的ラジコン掲示版の RC Groups では、このクラスを Mini Heli(ミニヘリ)と呼び、T-rex 450 や T-rex 500 はその代表的な機種となっています。

ラジコンヘリは小さく軽くなればなるほど、スケール効果によって操縦がむずかしくなります。ですから当時は、このミニヘリサイズが、ビギナーにとって最も「価格」と「飛ばしやすさ」のバランスが良いとされていました。
そして今でも、このクラスは「お金」と「飛ばす場所」のあるビギナーや中級者にはとても愛されていて、ユーザー数の多い人気のクラスとなっています。

その後、世界はマイクロヘリブームに突入し、入門機の低価格化と小型化が進展します。この時、日本のラジコン産業は重大なミスを犯しマイクロヘリブームを完全に見過ごしてしまいます。以後、日本のラジコン産業は世界における存在感を失って行き、今ではもう見る影もありません。
政府のパブリックコメント募集に際して、これらの企業・団体は、政府に協力して積極的にユーザーの意見をまとめようとしていません。ホビー業界はリーダーシップを放棄し、まるで他人事といった対応を続けています。本当に残念です。

RC Groups で Micro Heli(マイクロヘリ)というと、 300~350 サイズ以下のヘリコプターを言いますが、マイクロヘリブームの中心を担ったのは、もっと小さい低価格の 200クラス以下のホビー用ヘリコプターでした。
中でも、100サイズ以下の手のひらに乗るヘリコプターは、ウルトラマイクロヘリと呼ばれます。小さくてかわいいので、簡単に飛ばせそうに思われますが、実際は、小さいがゆえに操縦がかえってむずかしいのです。

よく憶えておいて欲しいのですが、「重量 200g未満」のヘリコプターは、一般的にビギナーにとって操縦がむずかしいのです。政府や国土交通省には、まずこの点を認識して欲しいと思います。

さて、世界的なマイクロヘリブームのピークは 2012~13年頃だったでしょうか。同時に、マイクロヘリブームと並行してマルチコプターのブームが始まります。マルチコプターがブーム化したのは、マイクロヘリの操縦がむずかしいことと無関係ではありません。マルチコプターの操縦は比較的やさしいので、マイクロヘリで挫折した人たちがマルチコプターになだれ込んだという面もあるのです。

また、従来マルチコプター(ドローン)は、部品を買って自分で組み立てるマニアックな趣味だったのですが、Walkera や Blade が安価なマイクロクアッドコプターを次々と発売したため、世界中でマルチコプターのオモチャ化と大衆化がスタートし、ブーム化したとも言えます。
マルチコプターのブームが始まると、マイクロヘリやラジコンヘリの市場はその影響を受けて、坂道を転げ落ちるように市場シェアを落として行きました。

そしてドローンの時代が来ます。誰でも飛ばせる DJI Phantom の発売を契機として、2013年頃から世界的な「空撮マルチコプターのブーム」、つまり「ドローンブーム」に火がつきました。
ここで重要なことは、「ドローンブーム」を支えたのは、従来からのラジコンヘリファンではなく、アマチュアのカメラファン達だったということです。彼らは「空飛ぶ雲台」や「空飛ぶカメラ」として、ドローンを競って購入したのです。その目的はあくまでも空撮(空中からのビデオ・写真の撮影)です。

ラジコンヘリファンもドローンを購入しましたが、われわれの目的は従来のヘリコプターと同じでした。ドローンの飛行技術を磨き、ドローンでスポーツ飛行するとかアクロバット飛行すること、つまり「エアスポーツ」が目的だったのです。そしてもう一つの目的は、ラジコン技術そのものに対する知的興味と探求です。

この点は、何度も声を大にして言いたいのですが、ドローンで人々の上を飛行したり、墜落事故を起こしている人のほとんどは、このアマチュア空撮カメラマンたちだと思われます。もちろん、技術的に未完成な現在のドローンのことですから、われわれラジコンヘリファンや空撮業者の中にも事故を起こす人はいますが、その絶対数は少ないものと思われます。

というのは、ラジコンヘリファンのほとんどは、ヘリコプターの危険性を先輩から教えられ最低限の安全知識を持っているからです。最近では 1人でインターネットで独学で始める方(私もその 1人です)も多いのですが、まともなラジコンヘリのブログには、安全についての注意事項が書かれていますので、早い段階から安全性に配慮することを学ぶことになります。

はっきり言って、ラジコンヘリファンの多くは、今回のドローン規制のトバッチリを受けたと思っています。突然、交通事故にあったようなものです。
われわれは、基本的な知識やモラルのない、無謀なアマチュア空撮カメラマンと同列に見られたくないと思っています。正直言って、迷惑です。法令を作る側の人には、ぜひこのわれわれの心情を理解して欲しいと思います。

よく考えてみて欲しいのです、ドローンブームが起きる前、電動ラジコンヘリが善光寺に墜落したり、首相官邸に夜間飛び込んだことがあったでしょうか? ラジコンヘリが世界遺産の姫路城に激突したことがあったでしょうか? 当然、ありません。
みなさんは、エンジン音を巻き散らして住宅密集地の上空を飛ぶラジコンヘリをご覧になったことがありますか? きっとないはずです。
カメラ付のヘリコプターで、あなたのプライバシーをのぞき見されたことはありますか? それもないはずです。


2.国民の基本的人権

しかし、そんなラジコンヘリファンの私たちも、時代の変化については理解しています。21世紀はドローンの時代です。そして、ドローンが悪用された際の危険性も十分に承知しています。
ですから、何らかの法規制が必要なことはわかります。今のような状態を放置するワケには行きません。

それでも、あえて言いたいことは、資本主義国家であり民主主義国家である日本において、個人の自由(基本的人権)は最優先に保証されるべきものだということです。

私有財産である自分の敷地内でドローンを飛ばすのは、まさに個人の自由そのものです。私有地がたまたま人口密集地の中にあった場合、その私有地上空で飛ばす事さえできないというのは、国家権力の濫用と言えましょう。また、土地の所有者の了解を得て、その上空でドローンを飛ばすことは、当然に認められてしかるべきことです。

私有地の所有権(および賃借権)は、その土地の上空にも及びます。空は、一定の利用制限があるとしても、その土地の所有者(および賃借人)が自由に使って良い私有財産なのです。この原則を忘れてはいけません。

国民の基本的人権は、「人口密集地」のひとことで制限できるような軽いものではないはずです。国家が国民の土地所有権を制限しようとする場合には、よほど合理的な理由がないといけないはずです。そして、政府および国土交通省は、その合理的理由をわれわれ国民にまだ説明していません。

パブリックコメントを集める前に、政府および国土交通省は、もっと丁寧に説明する責任があると、私は考えます


3.ラジコンヘリとマルチコプターは違う

近頃は「ドローン」という言葉が一人歩きしていますが、「ドローン」の意味をもっと厳格に定義するべきであると考えます。従来は、「ラジコン飛行機」、「ラジコングライダー」、「ラジコンヘリコプター」として区別されてきたものが、突然、「無人航空機」(すなわちドローン)という法律用語のもとに、いっしょくたにされました。

ラジコンホビーの分野では、「ラジコン飛行機」と「ラジコングライダー」と「ラジコンヘリコプター」は明らかに別のものです。当然、それを楽しむファン層は、一部に重複があるとしても基本的には異なります。

「マルチコプター」は従来、「ラジコンヘリコプター」の範疇に含まれていましたが、今ではヘリコプターとは異なるジャンルとして認識されています。したがって、それを楽しむファン層も異なります。

ラジコンホビーに詳しくない方には理解できないかもしれませんが、ラジコンヘリのファンの中には、DJI Phantom のようなマルチコプターを嫌う人も少なくないのです。マルチコプターは飛ばすのが簡単で面白くないとか、空撮には興味がないという人が以外に多いのです。
かく言う私は、マルチコプターも好きですが、空撮には全く興味がありません。

2.で述べたように、航空法や航空法施行規則は個人の基本的人権を規制しようとするものです。民主主義国家では基本的人権が絶対ですから、その規制範囲は必要最小限にとどめるべきです。つまり、航空法施行規則は「無人航空機」として一括して規制するのではなく、「マルチコプター」を重点的に規制するべきなのです。

果たして「ラジコン飛行機」と「ラジコングライダー」と「ラジコンヘリコプター」は、「マルチコプター」のように国民の不安感をあおるような事故や事件を起こしたことが、これまでにどれだけありますか?






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恐れていた通りになりつつあります

空撮屋がRCヘリ屋の首を締めにくる…

そもそも配慮の無い(一部の)空撮屋が悪いのだが〜
無人で空を飛ぶモノを全て同じと見る方も悪い
…アタマが悪い…

1kgでなくても、せめて500gに〜



Re: 恐れていた通りになりつつあります

KKDDMMさん、こんばんは。

マイクロヘリをやる分には、確かに500gでも問題はありませんね。(^_^)
だけど、450ヘリは無条件に飛ばせるようにして欲しいと思います。


No title

tiger22さん、こんばんは。

国交省の下記ページによりますと、無人航空機を許可なく飛ばしてはいけないのは、空港周辺の空域、一定高度以上の空域、及び人又は家屋の密集している地域の上空、ということになるようです。

この中で、特に問題となるのは「家屋の密集している地域の空域」とはどこまでをいうのか、具体的には河川敷のグランドなどは該当するのか、というところになりますが、この点については、「人又は家屋の密集している地域としては、国勢調査の結果を元に設定されている人口集中地区(DID)を基本とする方向で検討中です。」と書かれています。

従来のラジコン飛行場、たとえば河川敷内や、休耕田を借りているような場所が,今後どうなるか、「人家から○○メートル離れている場所」といった距離の条件がポイントだと思います。

http://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html

P.S.
200g以下のものを「無人航空機に含めない」ということは、どこで飛ばしてもいい、とも読めるのですが、どうでしょうね。イギリス軍の偵察用ドローンで、マイクロヘリサイズのがありましたよね。

Re: No title

cvlexさん、お久しぶりです。(^_^)

> 200g以下のものを「無人航空機に含めない」ということは、どこで飛ばしてもいい、とも読めるのですが、どうでしょうね。

今回の規制はあくまでも「無人航空機」に対しての規制であって、 200g以下は「無人航空機」ではありません。すると当然、法律解釈の上では規制の対象外になると考えられます。ですから私は、規制外の範囲をできるだけ広げることが最重要だと考えています。
「家屋の密集している地域の空域」が問題になるのも「無人航空機」の場合だけであって、200g以下のものは家屋の密集地で飛ばしても良いということになります。これは今と同じということです。

ですから、われわれにとって今大切なのは、規制外の範囲をできるだけ拡大することです。私は 1000gが妥当だと主張しています。


> イギリス軍の偵察用ドローンで、マイクロヘリサイズのがありましたよね。

ありましたね~。確か、手のひらに乗るサイズの固定ピッチのヘリコプターと記憶していますが。5~600万円ほどしませんでしたか? まあ、どんなにドローンを規制しても、最初から法律を守るつもりのないテロリストやスパイにとっては、まったく意味をなさないということですね。

国防上の見地からは、ドローンに対する防衛手段を真剣に研究する必要があると思います。法律ではテロリストを防ぐことはできません。


Re: No title

マコさん、こんばんは。

ドローンは元来、最新の軍事技術であるわけで、その小型化と高性能化がホビー分野で思いの外急速に進んでしまったことが、今回の全世界的な規制の動きの背景にあると思います。軍事技術が民間で簡単に使えては困るのでしょう。

軍事技術としての肝は、遠距離無線操縦と航続距離と自律飛行とFPVです。これらに関して言えば、本来的には民間に開放するべきではないのでしょう。その意味では今回の法令案はザルかも知れません。

一方で、われわれラジコンヘリファンとしては、今までどおり余計な規制をかけられずに、ヘリコプターを飛ばしたいわけです。少なくとも、450ヘリくらいは自由に飛ばせないと困るという気持ちです。200gでは不十分です。
200gで決定された場合、自分が現在所有しているヘリやクアッドを飛ばそうとすると、面倒な手続きが必要になりますし、飛ばす場所と時間の制約を受けることになります。これは現在のラジコンヘリファンが有する既得権の制限と言い換えても良いでしょう。それは困ります。

私はその意味で 200gに反対しています。ホビーヘリを飛ばすのに面倒な手続きが必要になると、普通の人はそんなホビーには手を出さなくなるでしょう。もしくは、今の電波法がそうであるように、今度の法律も完全に無視して飛ばすのか・・・。
電波法違反は外からは見えませんが、今度の規制が実施されると、違反の発見が容易になり、違反者が通報される確率が高くなると思います。考えれば色々な事態が想定されますが、まあくれくらいにしておきます。

とにかく、パブリックコメントはみんなが送った方が良いと思います。(^_^)



Re: ザルとは

マコさん、こんにちは。

ラジコンホビーの業界や団体にどんな思惑があるのかわかりませんが、とにかく私には何もしていないように思えます。

残念ながら、われわれが今できることは、パブリックコメントを1件でも多く提出することしかないですね。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: No title

非公開コメントの方へ

おそらくコメント投稿に失敗されたのだと思います。
ですから最初のコメントはこちらでも見ることができません。
ご心配なく。(^_^)


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