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インターネットの無料情報は「疑ってかかれ!」 たとえば、闘牛と赤い布について。

闘牛の牛は「赤い布」を見て興奮しているのでしょうか? 「闘牛 赤」というキーワードでグーグル検索してみました。検索結果のトップ 3 は次のとおりでした。

意外と知らない知識「闘牛の牛は『赤』に反応しているわけではない」
https://woman.mynavi.jp/article/141004-69/


闘牛が赤い布に反応するのはなぜ?青くしても突進してくるの?
http://1k-life.com/865.html


闘牛は「赤い色」に興奮しているわけではない【3分雑学】
http://nabenabeblog.net/201604/662.html


ウィキペディアには、次のように書かれていました。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%97%98%E7%89%9B


なぜ突然、こんなことを書いたかというと、インターネットの情報がいかに適当で、いい加減かということを知って欲しかったからです。まず上の 4つのサイトを大まかに読み飛ばしてください。その上で次の文章をお読みください。


「スペインでは、冬は闘牛をやっていない - といっても、それは正規シーズンの話。最南部の地方は一月、二月、三月でも温暖で陽射しが明るい。少なくとも私が行った当時はそうで、若牛による闘牛が行われていた。正規シーズンに出るのは普通、五歳以上の牛だ。観客席の下の暗い待機所から闘牛場に出てきて、この世での最後の二十分を過ごすまで、牛は牧歌的な生活を送り続ける。広い牧場を自由に歩き回り、雌の友達と仲良くし、青々とした草を好きなだけ食べる。一歳になるかならないかで屠畜場へという目には遭わずにすむ。だが、牧歌的な生活をしていても、闘牛用の雄牛は性格が柔和ではない。

闘牛用の雄牛は赤い色を見せて興奮させるのだといわれることがあるが、でたらめだ。雄牛は四本足でないものにはなんにでも向かっていく。牧場の牧童が馬に乗って仕事をしなければならないのはそのせいだ。二本足の人間が地上におりて雄牛のそばに立つのは自殺行為となる。雄牛は近視で、白黒でしかものが見えない。ケープの赤い色に反応するのではなく、ケープのひるがえる動きに苛立って攻撃するのだ。ケープにぶつかっても衝撃が感じられない。すると向きを変えてまた突進する。それを繰り返す。両手でケープを持った闘牛士は、うまく攻撃をかわさなければならない。かわせなければ大変なことになる。雄牛の角は恐るべき凶器だからだ。

雄牛はまだ子牛のときに一度、試験される。ほんの短い時間の試験なので、あとあとまで覚えていることはない。それはケープで挑発されたとき、まっすぐ向かっていくか、逃げようとするかを見る試験だ。後者なら屠畜場へ送られる。攻撃する子牛は、成熟するまでさらに四年間、牧場で暮らすことになる。

雄牛は三歳になると「若い雄牛(ノビーリョ)」と呼ばれるが、スペイン南部ではノビーリョの闘牛が行われる。戦う相手はまだ夏場に出場できない若い闘牛士だ。マラガで私が見たかったのはそれだった。ノビーリョは五歳の雄牛ほど身体が大きくはないが、非常に危険な動物であることに違いはない。マラガの有名な闘牛場をまわり、春興行のことをきいてみたわたしは興味深いことを知った。闘牛士学校があるというのだ。そこで入ってみることにした。」


これは「ジャッカルの日」「オデッサ・ファイル」などの小説で有名な、作家のフレデリック・フォーサイスの自伝 アウトサイダー 陰謀の中の人生 からの引用文(75 ~ 77 ページ)です。

余談ですが、フレデリック・フォーサイス(1938年イギリス生まれ)は 17歳の 1月初旬、スペイン語を学習するためにグラナダ大学の三ヶ月講座を受講します。講座はグラナダではなくマラガで行われました。マラガは闘牛とパブロ・ピカソで有名なところです。

フレデリック・フォーサイスは人並み外れて優秀で、この時点でフランス語とドイツ語を習得していたばかりか、大学入学資格を持っており、学校の規則を破ってこっそり単座機パイロットの資格も取得しています。そして、マラガでは上記のように闘牛士学校に入り、最後まで授業は受けたものの、才能がないことを知って、闘牛士になる希望を断念しました。

しかし彼は、語学講座と闘牛士学校に通いながら、35歳のドイツ人伯爵夫人との熱い情事を重ねることになります。17歳の高校生ですよ・・・まったくなんという、うらやましい人生でしょうか・・・。 笑

自身がドラマのような人生を送ったからこそ、映画化されて大ヒットしたドラマ(小説)を何本も書けたのでしょう。


闘牛の話に戻ります。フレデリック・フォーサイスは、まだインターネットにはない新情報を、いくつか書いています。

1. 闘牛用の牛は一歳までに適正テストを経て、選ばれた「特別な牛」である。闘牛の適正とは、ケープで挑発されたときまっすぐ向かっていくかどうか、です。

2. 闘牛用の牛は性格が荒くて、四本足でないものにはなんにでも向かっていく。二本足の人間が地上におりて雄牛のそばに立つのは自殺行為。

3. 雄牛は近視で、白黒でしかものが見えない。ケープの赤い色に反応するのではなく、ケープのひるがえる動きに苛立って攻撃を繰り返す。



なお、闘牛士が使用するケープには 2種類あり、一つはカーパ、もう一つはムレータと言います。カーパはびっくりするほど重い半円形のキャンパス地の布で、片側は赤紫色、裏が黄色です。

ムレータはカーパより小さく、色は深紅で、剣か棒にひっかけて使います。闘牛の第三段階(最終段階)で使います。

カーパは赤ではなく、赤紫色と黄色です! インターネットで検索すると、深紅のムレータのことはたくさんヒットしますが、カーパについてはほとんど出てきません。

これほどに、インターネットの無料情報というのは、偏っていて不正確なものです。 私のブログも同じです。昔から「タダほど高いものはない」と言われますが、まさにそのとおりだと思います。みなさん、正しい情報を得るために、身銭を切って本を読みましょう。





フレデリック・フォーサイスの自伝は非常に面白いです。

Amazon にリンクしておきましたから、ぜひお読みください。オススメです。





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